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結成15周年★ ダンスミュージック♪ ひとつのスタイルに良くも悪くも固執しない ポストロック◎ プリミティブな感覚!!!


 今年で結成15周年を迎え、前作『B.A.N.D.』から3年8ヵ月ぶりとなる5枚目のアルバム『OUT』を完成させたYOUR SONG IS GOOD。フジロックのGREEN STAGEからライブハウス、クラブと縦横無尽にライブ活動を展開してきた彼らから届けられた待望のアルバムは、開かれたダンスミュージックが満載! 聴けばあなたも、踊らずにはいられないグルーヴの渦に巻き込まれること間違いなし! フロントマンであり、ほとんどの楽曲を手掛けるサイトウ“JxJx”ジュンに話を訊いた。


――待望のニュー・アルバムですけど、ずっと出したい気持ちはあったんですか?

「アルバムは出したかったんですけど、これがやりたい! っていうものが見つからない限りは出したくはなかったんです。要は、メジャー契約してた時のルーティーンから解放されたので、いついつまでに出しましょう、みたいな必然性がなくなっちゃったんですよ。だったら、自分たちで本当にやりたいテーマが生まれるまでは、いいかなって。カクバリズム(レーベル)には思いっきり待ってもらっちゃいましたね」

――テーマが浮かんだのはいつごろだったんですか?

「新曲をやりはじめた2012年くらいなのかな。それまで、ライブ中にヒントを発見したりはしていたんですけど。『B.A.N.D.』を出してから、どうしようか? って思いながらライブをやっていても、曲だけはどんどん育っていくんですよね。例えばパーカッションのパートがどんどん伸びていったり、歌が本来の尺以上に繰り返していったり。そこで、元々YOUR SONG IS GOODの音楽性にダンスミュージックっていう要素は多分に孕んではいたんですが、そういった部分をより機能的な生かし方にしたいと思ったというか。過去の音源の50%くらいがダンスミュージックとしての機能性だったとするならば、90%くらいまで伸びていってるような感じがして。これはもしかしたらヒントかもしれないな、って思っていました」

●ユアソン●
――アレンジは意識的に変わっていったんですか? それとも、気持ちよくやっているうちに、無意識で変わっていったんですか?

「後者ですね。僕らの場合、ライブでは偶発的なものが多くて、誰かが長めにやっちゃったら、面白そうだから、みんな悪ノリしてついていくようなパターンが結構あるんですよ」

――ここ数年だと、歌モノだったり、パンクロック回帰だったりっていう傾向があった中で、しばらくライブを見ていなかった人からすると、今作を聴いて変わったなって思うかもしれないですね。

「んー、毎回そうですよね。例えば歌モノの『あいつによろしく』を作った2007年くらいだと、やったことをないことをやってみようみたいなところはあったんですよ。次のアルバム『THE ACTION』での、昔やっていたバンドのようなテンションでやってみようかっていうのも、どれも興味本位だったというか、とにかくその時にやりたかったことをやっていたのかなあ。ひとつのスタイルに良くも悪くも固執しないのがこのバンドっていうところはあるんで。で、前の『B.A.N.D.』は――元々このバンドのメンバーは、ひとつの音楽をやるために集まったわけではなかったし、それぞれバックグラウンドも趣味趣向も違うんですよね。それを全部このバンドでやっちゃおうっていうのが『B.A.N.D.』だったんです。あれはあれでよかったんですけど、この先このスタイルで行くと、もう一緒にやんなくていいってなりそうだなと思っちゃったんですよね」

●ユアソン●
――今のユアソン(YOUR SONG IS GOOD)の6人で鳴らす音楽を改めて考えたというか?

「ちょっと思ったのが、全部をこのバンドにやらせなくていいんじゃないかって。僕もいろんな音楽が好きで、歌モノも好きだし、インストも好きだしっていう中で、もう一回6人でやりたいテーマを絞ろうかなって。で、それぞれがこれ以外にやりたいことがあるなら、別な場所を作ってもいいよっていうか。他のバンドはみなさんそういうことをやられていますけど、僕らは今まで自分たちのやりたいことを全部このバンドにやらせるような傾向があったので。その違いがデカいですね。バンドとしての存在意義を変えたっていうか。また、バックグラウンドの説明が必要だったりする音楽の楽しみ方もあるし、僕はそういうのも好きな方なんですけど、一回それもやめないかと。何も考えずに楽しめるというか、もっと感覚的なものをやろうと思ったんですよね」

――その話とも繋がってきますし、サポートのパーカッションで松井泉さん(ex.bonobos)が参加しているところも大きいですけれど、メロディに頼らない音楽を作っている印象があったんですよね。

「僕は、ダンスミュージックをこの3年半で良く聴いていたんですよ。テクノ、ハウス、ベースミュージック……、それぞれありますけど、どのへんが面白いと思ったかっていうと、例えば歌があって歌詞があってAメロがあってBメロがあってサビがあってっていうような、オーソドックスな曲の構造にはない余白みたいなものを感じたんです。凄くメロディラインが強調されている曲だったら、比較的そこからイメージされる世界が、良くも悪くも限定されてくる。それが強い表現っていうことかもしれないですけど、ダンスミュージックには、もうちょっと、聴いている人が自分なりの楽しみ方が出来るような面白さがあると思ったんです。あと、これも僕の勝手な解釈ですけど、多くの人が共有して楽しむ音楽のわりに、関係性は、音を放っている人と聴く人が、一対一の極めてパーソナルなコミュニケーションに感じたんですね。そのへんの感覚的なやり取りが面白いと思ったっていうか、受け手側の捉え方によってどうにでも変わっちゃうっていう面白さっていうか」

●ユアソン●
――その結果、今までユアソンを彩ってきたキーワードだけでは語れない今作が生まれたということなんですよね。

「そうです。でも、そんな難しいことはやっていないんですよ。感覚的なやり取りなので、どっちかっていうと、実はこれまでより開かれているんじゃないか、って思っているんですよね。感覚としての余白のなかにリスナーの居場所を曲の中に作りたいなってう部分も意識しましたし。前はその人の目の前に行ってガン! ってやる感じでしたけど。とにかく、細かい言葉で説明できないようなことをやろうとしたところはありますね」

――確かに、開かれた作品になっていますよね。

「実は昔のYOUR SONG IS GOOD……90年代後半に、ポストロックみたいなことをやろうとしていた頃、実はそういう感覚的なことをやっていたんですけど、あくまで感覚の音楽のなので、その時の、我々は持て余してしまったというか、結局何をやってるのか訳わかんなくなっちゃって(笑)。その反動から、より明確なルーツミュージックの方向に行ったんだなってのは、今考えれば非常に合点がいくんですけど。その時期に僕は同時にThe Doubleっていうバンドでドラムも叩いていたんですけど、YOUR SONG IS GOODと同様、面白かったんだけど、何をやっているのかわからないまま終わってしまったんですね。ところが、今その音源を聴くと、そのよくわからない感じが、めちゃめちゃカッコよかったんですよ。それこそ、こういうジャンルの音楽をやろうとしていましたっていうことじゃない面白さで表現が出来ていたんですね。この面白さを昔の自分がやっていたなら、今も出来るんじゃないかなっていう。そんなことを昔の自分に教えてもらったというか。そこは大きなポイントでしたね。また、この15年間、色々なことをやってきているので、決してその時と同じではない新しい感覚でやれるんじゃないかって気がしていたんですよね」

――確かに、これユアソンの原点であるポストロックじゃないか!? っていうエッセンスには、今作にはたくさん散りばめてあって。

「そうですね。あと、例えば本当にダンスミュージックを作ろうとしたら、ひとりでシンセを駆使して作った方が、本来のテーマにさっさと近付けるじゃないかっていう自問自答もあったんですよ。でも、今回の場合はバンドでやるのがポイントで、大変な部分ではあるだけれど、結果、他にはない感じに仕上がるんじゃないかいう予感もあって。そこで、みんなでセッションしながら作っていきました。結果、やっぱりポストロック的なニュアンスなんかの、ダンスミュージックでやらないことをガッツリ入っちゃったっていう(笑)。でも、それは良かったと思っています。教科書通りにいかなくていいや、それより自分のプリミティブな感覚、ツボを信じようと思って」

●ユアソン●
――15周年じゃないですか。ピュアに戻ったという感じなんですかね? それとも、常にピュアではあったんですかね?

「常にピュアでしたけど、僕は同時に考えがちなタイプでもありました。バンドって本当に楽しいなと思いつつ、本当に難しいなって思いながらもやっていたんですよね、ずーっと。自分もそうですけど、メンバーそれぞれの人生、生活もあるし。で、だんだんバンドと自分の付き合い方が、全部一緒の距離感だと無理なんじゃないのかなって思ってきたんですよね。最初はそこに違和感がすごくあったんですが、だんだんそれが自然かなと思えて。そう思ったら、急に肩の力が抜けてきたっていうか。20代、30代は、意地でも力技で付き合っていくっていう感じでしたけど、そこがほどけてきて、楽になりました」

――お客さんも、ツアーでは、それぞれのやり方で楽しんでほしいですね。

「それぞれのやり方で、自由に楽しんで欲しいなと、それは思いますね。そういえば、昔、ポストロック的なことをやろうとしていた時に、何を思ったか、本来のおしゃべりな性格を封印して急にMCで一言も喋らなくなって、ライブが異常にどんよりするって時があったんですが、今回は、大丈夫です(笑)。楽曲的には時にクールな表現もありつつ、うわー! って暴走していく感じはなくならないと思います(笑)」

Text:高橋美穂
Photo:吉田圭子

『OUT』
Album
11月20日(水)発売
2625円(DDCK-1033)
カクバリズム
 

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オフィシャルホームページ

ライブ情報

29 6月 YOUR SONG IS GOOD CLUB QUATTRO(東京都)